Let's cook Thailand
   タイ北部へ… 旅行記&食事集 その6

'06年2月19日〜2月24日に旅行したタイ北部の写真です
トップへ戻る
 旅行記目次へ戻る



 4日目 昼〜夜・メーサイ〜ゴールデントライアングル
 「ゴールデン・トライアングル」とは、ミャンマーとラオス、そしてタイの3国の国境が接している場所一帯を指す言葉である。 ほんの一昔前まで、この一帯ではケシの花(アヘン)の製造・取引が盛んで、頻繁に軍・警察と「武装した密造組織」が衝突し、退避勧告が出るほどの危険地帯であった。

 ここ一帯の呼称は数十年前にイギリスのBBCテレビ局が番組の中でこの「ゴールデン・トライアングル」という名前を始めて使ったという説があるが、実際定かではない。

 現在、ケシ畑はほぼ一掃され、既に危険地帯ではない。しかし、その後この「ゴールデン・トライアングル」という名前だけが観光業界で一人歩きし、全く危険でもないのに「危険な雰囲気」をかもし出しつつ、この地域を一大観光地として開発していった、という事実だけが残っている。

 今の地図では、ここの3国の国境が交わる場所一点だけが「ゴールデン・トライアングル」と記載されているものもある。 しかし、本当の地名(タイ)は『ソップ・ルアック村』であり、「ゴールデント・ライアングル」は神奈川の「湘南」のように、アバウトで広範囲に及ぶ地域を指した地名なのである。

 タイ最北の街・メーサイから、観光地・ゴールデントライアングルまではおよそ25km。 
 現在のゴールデントライアングルは、静かなメコンの河がゆったりと流れるのどかな所である。
 時折、諸外国や国内から観光に来ている人たちを乗せた大型観光バスが到着し、賑やかな一面を見せてもいるが、実際賑やかなのはタイ側だけで、対岸に見えるミャンマーとラオスは非常に静かなままである。

 タイ側には、最近政府が建てた(?)と思われる、ドでかい仏像と、王様と王妃を称えるモニュメントが建っている。 メーサイのミャンマー国境でもそうだったが、タイ(特にチェンラーイ県内)のミャンマー国境沿いには、この様に国力を示すようなモニュメントを造っている箇所があり、昔より侵攻と侵略を繰り返してきた隣国ミャンマーに対して威嚇&警戒をしているのであろうか? ラオスやカンボジア、マレーシアの隣国と接している所にはあまり見られない現象である気がする。
これが、メーサイの街から唯一ゴールデントライアングルに行ける公共の交通機関 “ソンテウ”
40分乗って料金はたったの35バーツ(≒100円)
ゴールデントライアングル [中国名・黄金三角]
タイ(茶色)とミャンマー(赤)、ラオス(青) の3国の国境がここにある
手前がタイ
中央がミャンマー
右がラオス
ここは今では一大観光地 土地の名前を示す看板は
「ソップ・ルアック村」である
近くに花が咲いていた
ケシではない
川沿いにタイ政府が建てている「仏像」、「モニュメント2種」。どれもケバケバしい。
隣国の2国にはこのようなモニュメントはない。 一大観光地にしようとした結果か?
 先日は、プーケットの海辺でビールであったが、今度は「川沿いでビール」。(昼間から飲んじゃいました!)
 大型バスが止まる整備された駐車場の横には大型の食堂があり、旅行者のお腹を満たしてくれている。
 料理は特に代わった郷土料理は無いに等しく、ごく一般的な大衆タイ料理のみ。あえて言えば、川魚(ナマズや雷魚)料理が多いぐらいで、特に「ここ特産の料理」というものは見かけなかった。

 川魚が比較的苦手な私は… 写真の通り、迷った挙句、卵焼きご飯を選んでしまった。バンコクでもどこでも普通に食べられる料理。

 川の上はひっきりなしに観光客を乗せたボートやクルーズ船(?)が往来している。どの船にも「タイ国旗」しか付いていないのは、ミャンマーやラオス船籍の船がここにはあまりいないということである。
 たまに、中国の国旗をつけた貨物船が横を通っていき、非常に印象的であった。 川下にはタイの交易街「チェーンセン」、その後はラオス領に入り世界遺産の「古都・ルアンパバーン」がある。この船は、一体どこまで行ったのであろうか?

 再びタイとラオスの国境を成したメコン河は、カンボジア、ベトナム領を通り海に注いでいく。
川縁にあるレストランにて。 ビールと共に食べているのは 
カイチィアオ ムー サップ (豚挽き肉入り卵焼きご飯)
メコン河の上を中国船籍の船が通過していった。
手前・タイ
中央・ミャンマー
奥・ラオス
 メコンの川沿い、ミャンマー領にある赤い屋根の建物は、タイ人と日本人が出資して出来た、ホテル&カジノである。タイのゴールデントライアングルからは、晴れていればはっきりと目視できる距離にある。
 タイでは基本的に賭博が法律で禁止されている。(競馬、宝くじなどの公営ギャンブルは可)  ミャンマー領にあるホテル兼カジノのオーナーが「日本人とタイ人」というのはなんともおかしな話ではあるが、それほどまでに、ここ一帯が現在では平和であるという事なのでもあろうと思う。
 しかしそれにしても、外国人の入国(滞在)規制の厳格な国「ミャンマー」に入って、このカジノがある所まで簡単に行けるのであろうか?
僧も観光に来ていた ミャンマー領にある
ホテル兼カジノ
 さて、このゴールデン・トライアングルには、かつてのケシの花の栽培、収穫、そしてアヘンの製造、販売、そしてそれらが人類に及ぼした影響、これからの問題点などを克明に展示した「アヘン博物館」がある。
 メーファールアン財団が建てたこの建物はまだ出来て数年しか建っておらず、山中にポツンとあるにも関わらず、非常に沢山の展示品と、そのインパクトで驚かさせられる。 バンコクなどの都市にあっても良いほどの立派な博物館であった。
 その代わり、入場料は300バーツと若干高め。しかし、タイ語が上手に喋られれば200バーツになる。
 (←この意味、分かりますか?? タイ人料金が設定されているという事です。タイの労働許可証[WP]を持っている外国人も200バーツになります。既にWPを持っていない私は、チケット売場のオネェちゃんを散々混乱させた挙句、何とか200バーツで入れてもらいました。) 
アヘン博物館入口 中の展示は相当数ある
 午後4:00。
 そろそろ、いざ宿のある25km離れているメーサイへ戻ろうと、ここへ来るのに利用したソンテウ(最上部・参照)が通過するのを待っていたが、何故か待てども暮らせどソンテウが来ない。だいたい30分間隔での運行と知っていたが、45分待てど車が来ない。(ここに時刻表などというものは当然無い。)
 もしや…と思いお土産売場にいた地元民に聞いてみると、やはりメーサイ行きのソンテウが「既に本日運行終了」していた。 まだ太陽も沈んでいない16時45分なのにーー!!
 その地元民の説明によると、「ここの人々は日の出と共に動きだし、ソンテウで街と街などを長距離移動をするのは早朝から15時ごろまで(常識)」なのだそうだ。なんじゃそれ〜…。 当然、旅行者用ガイドブックには書いてない、そんな事。なんでも、ここで観光客がタイ語しか通じないソンテウに乗ることは想定外らしい。悪かったね利用して。
あー、昼の乗車時に運行終了時刻聞いておくんだった。 想定外。後の祭り。不覚。

 仕方が無いので、近くにあった旅行会社に駆け込み、メーサイまでのタクシー料金を交渉した。結局帰りの運賃を500バーツ計上。 行き(35バーツ)の15倍近い料金で帰る羽目に。
…泣く泣く返って来た、メーサイ。この街がこんなに遠かったとは思わなかった。
メーサイに着いた時は、
既に陽は落ちていた。
 メーサイの路上屋台で、奇妙なものを売っている屋台が何件かあった。そのものとは…「餃子」。餃子専門屋台なんて、バンコクでは見た事無い。
←看板には「鍋貼 ギィアオザー 豚肉とニラ入り」と中国語・タイ語で書いてある。生の状態の見てくれは日本式の餃子と一緒であるが、全く違うのは100%「揚げ餃子」である事。 全然鍋には貼ってはいない。
 とりあえず、興味津々で一つ持ち帰り、宿の一室で食べてみたが… 妙に甘い。
この量で25バーツなので文句を言ってはいけないのであろうが、餃子の形をした“甘くて塩辛い、肉ニラ団子包み揚げ”であった。
近くの屋台で売っていた
ギィアオザー
(餃子)

旅行記 その7へ

トップへ戻る