Let's  cook  Thailand

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私のたわごと・・・ その86 ('04.5.21)

夜、タクシーでの帰路、途中警察官が大掛かりな検問をしていた。 
検問自体はバンコク市内でよく見かける光景で、大して気にもしていなかったが、今回ばかりはちょっと違った。
車を減速し、検問の中を止まることなく通過していく。外からライトを顔に照らされた。通常であれば、このまま通過可能なのであるが、今回は車両を止められた。 何か、このタクシー運転手でも調べるのだろうかと思っていたら、違う。なんと「車両から降りろ」といわれたのは私本人であった。 別にやましい事も、やましい物も持っていないので平気なのではあったが、一つだけ心配なことがあった。パスポートの原本を持っていない…
降車後、早速警察官による質問攻めにあった。以下そのやり取り。

警察官「どこに行く?」
 「今から帰るところです」
 「バンコクで何をしている?」
 「見ての通り仕事をしています」
 「職場は?」
 「日本料理店です」
 「滞在ビザは?」
 「ワーキングパーミットを所得しています」
 「では、身分証明書を提示しなさい」
 「・・・パスポートのコピーなのですが。(提示)」
 「何故、コピーなんだ!! ダメだ。原本は?」
 「今はありません」
 「コピーが使えないのも知らないのか!!?()」
 「すいません・・・」

タイの警察官は小遣い稼ぎで検問等をして、罰金を科さない代わりに袖の下を要求する話があるというのはちょっと有名な話であるが、今回はそんな全く雰囲気でなかった。 このまま警察署に連れて行かれても文句言えない状況になってしまった。 なにせ、尋問に当たっている警察官、かなり強面である。ここは変な行動をとらず大人しく全て従うことに・・・。

 「ちよっとここで待っていなさい」
 「(あぁ、このまま連行? → 署にて一泊? と腹を決める。仕方ない、原本持っていないのであるから…)」
 「・・・(沈黙の後)・・・、今回はこのまま行ってよろしい。きちんとパスポートは原本を携行するように」

というわけで、今回は袖の下を要求されることもなく、そのまま無事に検問を通過することが出来た。 タイ人には政府発行の身分証明書(IDカード)なるものがあり、15歳以上であれば身分に関係なく、いついかなる時でも全員必携義務がある。
まして外国人である日本人が身分証明書の原本も持たず、ただのコピーだけで確かに許されるはずはない。しかし、それにしても過去2年間、紙切れ一枚で何とかしてきた私としては、ちょっとビックリした出来事であった。

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