Let's  cook  Thailand

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私のたわごと・・・ その33 ('02.1.9)

 「就職難」という言葉は日本では聞きなれた言葉であろうか。タイに来る前には、私には一切無縁の言葉であった。渡タイ前、タイは経済が発展段階にあり、タイでの就職は希望すれば可能であるとの情報を得ていた。
 
 ところが…いざ、こちらで就職活動をしてみると、問題山積状態。
 
 第一にビザ。世界中どこの国でもそうだが、外国人が、外国で滞在をするには、そこの国の滞在ビザが必要である。観光であれば観光ビザ、留学であれば留学ビザが必要である。タイは日本人であれば、この2つは容易に取得可能なのであるが、就労するための就労ビザ(労働許可証・ワーキングパーミット)はそうはいかない。細かい規定がいくつもあり、また検査自体も厳しい。そりゃタイ国にある会社が日本人に給料を渡すということは、日本にタイの貨幣が流れてしまうということでもあるから、そう簡単な事ではない。

 第二に賃金。タイは日本に比べてまだまだ物価が安い。というか日本が高すぎるのであろうが、物価が安いということは=給料も安い(現地採用の場合)ということである。タイ人の大卒平均初任給は高くて1万バーツ前後。日本円で3万円前後ということである。5万バーツ(14〜5万円)以上もの給料をもらっているタイ人は「お金持ち」なのである。さぁここで問題。一体、日本人である私は、いくらの給料を希望額としたらいいのであろうか。  
私みたいにバンコクに来てから、仕事を探すという20代の日本人は決して少なくない。そんな人たちと接してみると、その人たちが最初に受け取った給料の平均は約2万5000バーツ〜3万バーツ位。日本円にしたらヘナチョコに見えるかもしれないが、ここでは至って普通なのである。生活費がかからないので、人によっては月2万バーツ程度で全ての生活がまかなえる(ちなみに私の最低記録は昨年6月の1万1000バーツ・勿論家賃込)。そうなると、単純計算でひと月に1万バーツ位の貯金ができることになる。つまり3万円。日本で就労していてもそんなものであろうから、それで食いつないでいる人はバンコクにウヨウヨといる。
そこで私も履歴書にこの額を最低希望として記入したが、探している職種(食サービス)柄なかなかそこまでの賃金に対してよい返事は返って来ず、あるタイ料理店に聞いたときは「4,000〜5,000バーツが初任給(約1万2000円)」との答えが返ってきた。ホテルに聞いたときも、「3万バーツ」有ればタイ人数人雇えるわけであるから、そりゃいい返事は返ってくるはずもない。
 
 第三に私自身の能力。私は4年間ほど日本で西洋料理の仕事をしてきたが、日本料理の経験は専門学校で習った程度で皆無に近い。外国で日本人料理人に求めらけるのは「板前」であり「コック」ではない。「コック」はヨーロッパ本国からバリバリの連中が入ってきているし、私にはその連中と会話をする語学(フランス・イタリア語)力が全くない。また、タイ語も通常日常会話レベルにはまだまだ程遠く、外国人に求められる「英語」力すらない。あー、英語を学生時代にきちんと勉強しておくんだったと後悔先に立たず。
 
 このままでは、本国帰還(強制送還状態)もおおいに有り得るな… と半分覚悟を決めかけていたとき、とあるバンコクでは有名な日本料理店から直々に声をかけていただいた。仕事内容は基本的に調理場ではないものの、私が仕事をこなせ、上の問題がクリアでき、バンコクで生計を十二分に立てられる条件であった。通帳に残っている残金が本当に残り僅かとなっていたし、このタイミングは運が良かったとしか言いようがないのかもしれない。ここで仕事をすることによって、自分の将来がどうなって行くかはまだまだわからないが、今はまだこの年齢(23)だし、それはそれでもいいんじゃないかという気に少しなってきていたのも事実。専門学校時代から別に白衣を身にまとう仕事にこだわっていた訳でもないし。色々な経験をしていくことによって、色々なものを見て、知識見聞を広め、将来の糧に少しでもなればと本当に思う。

 とっいった感じでまとめてみましたが、実際はそこまで深く考えていないかもしれない「私」でした…

 私の今回の就職に際し、本当に色々な方にお世話になりました。この方々がもしいなければ…一体何をしていたであろうか状態です。私一個人のためだけに、様々な方々があちこちに連絡を取ってくれ、私の就職口をあたって探してくださった。頭が上がらない思いでいっぱいです。応援してくださった方も含め、この場を借りて、改めてお礼申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。 


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